日本のため、ベトナムのため、世界のため、学び行動し続ける

「FUNプラグマ」の第9回目にご登壇いただくのは、給与計算をはじめ、記帳代行、データエントリー、WEB製作などのBPOサービスを日本向けに提供するVBPO株式会社(ベトナム ダナン市 以下:VBPO)マネージャー ホーティ・アイ・ニーさんです。プラグマは、2012年5月にVBPOと業務提携をいたしました(提携記事:http://pragma.co.jp/service/offshore/vbpo/)。28歳という若さでVBPOのマネージャーとして、日本とベトナムを行き来されています。オフショアアウトソーシングの魅力とは?どうしてVBPOと提携したのか?などサービス内容のページでは紹介しきれなかった情報やニーさんはじめベトナムの人々の努力家でありながら、常に前向きでパワー溢れる面をご紹介いたします。

なぜ日本市場にチャレンジしたのか?


三城:プラグマが、ベトナム中部ダナン市にあるVBPO株式会社(以下:VBPO)と日本企業の給与計算アウトソーシングサービスを行う業務提携をしてから、4年が経ちましたね。企業運営で必要な業務やビジネスプロセスの一部を請け負う事業、BPO(ビジネス プロセス アウトソーシング)をはじめ、現在ではWEBデザインや人事・給与計算、経理など幅広い事業で活動されていらっしゃいますが、どうして日本の市場にチャレンジされたのでしょうか?

ニー:欧米か日本かで迷っていたようです。ベトナム人に合うマーケットを考えた時、性格や歩んできた歴史、人に対する接し方や教育に関する考え方が日本の方が似ている。そこに需要があると感じ、調査を兼ねて日本への留学やセミナー参加を重ねるうちに、現在の株式会社VBPOジャパン 代表取締役 田中 幸三氏(以下、田中氏)と出会い、日本市場への挑戦を決意しました。

三城:社長の強い想いが「縁」を引き寄せたのですね。ベトナムにも「縁」を表す同じ言葉があるとか?

ニー:はい。漢字は同じですが、ベトナム語で「ユエン」といいます。しかし考え方も使い方も全く同じです。日本とベトナムには、言葉をはじめ文化や風土においても、同じところがたくさんあると知れば知るほど感じています。なので、仕事柄お客様と仕事の進め方や教育方法について細かく確認する機会が多いですが、あまり大きな負担や支障を起こすことなく進められています。

VBPOとニーさんの出会い

三城:ではここでVBPO 代表取締役社長 チャン・マン・フィー氏(以下、フィー社長)とニーさんとの「縁」についてお伺いしたいと思います。VBPOには、中学校からの幼なじみで今も親友でいらっしゃる、マネージャーのヴィヴィさんといっしょにご入社されたと伺っております。どのようなきっかけでご入社されたのですか?

ニー:当時ヴィヴィと私はベトナムのフエ大学 日本語学科に第1期生として在学していました。将来はフエ大学で日本語講師として働くことが、夢でした。講師としての準備を進めていましたが、大学を6月に卒業し、講師として新学期が始まるのは10月と時間がありました。そこでその時間を使い、少しだけ社会人経験を積んでその後の講師生活に活かしたいと考えました。その時に出会ったのが、VBPOでした。3ヶ月のつもりで入社しましたが、実際に働いてみると、日本についてはもちろん自分にはまだまだ知らないことがたくさんあると知り、このままでは講師として働いても納得のいく仕事が出来ないと思い、VBPOへの正式な入社を決意しました。講師という職業はアウトプットが軸となります。私はまだインプットの段階で、アウトプットは早いと感じました。

堀口:VBPOに正式な入社を決意されるほど、教育に力を注がれていたんですね。どんな勉強をVBPOに入ってからされたのですか?

ニー:通常業務とは別に、漢字検定準2級が取得できるような漢字の勉強、大学でも勉強しなかった、日本人の氏名や日本の地名を覚え、簿記、給与計算の仕組みについて学びました。

三城:日本人でも何年かかけて勉強することをものすごい短期間で学ばれたんですね。ヴィヴィさんも同じような想いで一緒にご入社されたのでしょうか?

ニー:はい、一緒に住んでいたので毎日仕事を終えて家に帰るとその日感じたことや課題を語り合いました。ヴィヴィも私の考えに共感してくれ、私もヴィヴィの考えに共感しました。なので、VBPOに入ってもっと社会に貢献したいとお互い自然に考えるようになりました。

三城:ニーさんとヴィヴィさんの絆の深さは、私もベトナムを訪れる度に感じています。ニーさんは慎重で堅実、ヴィヴィさんは行動力があり楽観的、とふたりはタイプが全く違うけれど本当によいコンビだと皆さんが声を揃えて笑顔で語ってくれます。今では、お二人共マネージャーとして会社の中心となってご活躍されていますね。ここでお二人がよく議論されている、VBPOの事業について伺いたいと思います。現在日本向けに提供されているサービスについて教えてください。

VBPOの6つのサービス



三城:サービス内容だけを見ると、単一的な業務を淡々と行っている印象を受けますが、私も実際にVBPOを訪れてみて感じたのは全く別でした。最初はお客様の求めるプロセス通り稼働させていますが、軌道にのるとそれをシステム化するソフトを開発され、業務改善の為、研究への時間も大切にされていますし、専門家の方もいらっしゃいました。例えば膨大なデータ入力がある場合、データ入力のミスがわかり、ミス率が分かるようなソフトを自社で作られています。

ニーデータ入力は一見簡単で誰でもできるような作業だと思われがちですが、一定のクオリティーを維持しつつ効率を上げるには専門的な研究と開発が必要です。それが私たちの強みです。お客様の大切なデータを扱う上で、どの事業にも必要な技術と経験を積み上げてきました。

三城:プラグマも国内で同じBPOを請け負う企業として、とても考えさせられます。依頼していただいたものをその通りに納品することで、まずは安心していただけます。しかし、そればっかりではお客様の満足は得られないとも感じています。時代に合わせたソリューション提供などプラグマも挑戦を続けるパワーをいただいています。

ニー今年でVBPOとして起業して6年目になりますが、最初はスタッフ15名でスタートしました。現在は4ヶ所にオフィスがありスタッフも250名以上になりました。

三城:すごい成長スピードですね。その中で日本語が話せて、日本のお客様とやりとりができる方は何名くらいいらっしゃいますか?

ニー:50名くらいいます。

三城:50名も?スタッフが増えても事業が安定されているのは、採用に力を入れている影響も大きいのでしょうね。採用でいいますと、障害者雇用にも創業当時から取り組まれていますね。

ニー:はい、一般企業では珍しく障害者雇用率が30%を超えています。また障害者の方に限らず、ベトナム少数民族の採用もしています。

三城:少数民族の方の採用は難しそうですが、どのように行ったのでしょうか?

ニー:少数民族の方が行うお祭りにセンターを設けて、そこで交流を深めて採用活動を行っています。場所は、ダナン、クエ、ウーウェン、ダクラクの4ヶ所です。

三城:ベトナムが多民族国家だと感じる機会は少ないですが、文化や言葉、生活スタイルの違う人々を採用し、教育していくのはわれわれが考えている以上の努力が必要なのでしょうね。ではVBPOの男女比はいかがでしょうか?

ニー2割が男性、8割が女性とプラグマさんといっしょで女性が活躍しています。

三城:そうでしたか。プラグマと似ている部分があると感じていましたが、女性が多いのも関係がありそうですね。今後注力される予定の取り組みはどんなことでしょうか?

ニー:嬉しいことに
現在は受注好調で、新規の受注は年明け以降になります。今後については「人事・給与計算サービス」のリーダーを任されていますが、目標とする売上シェアにまだ達していません。「データエントリーサービス」は急速に成長していますが、経理、人事・給与計算を海外に発注するのはまだ抵抗があるお客様が多いようです。お客様にもっとVBPOについて知っていただき、信頼していただく機会を作り、経理、人事・給与計算サービスの受注を増やすことが今後の目標です。単なるデータ入力ではなく、他国との差別化を図り、日本とベトナム両国の発展に貢献したいです。

カッコイイ!?プラグマ

三城:ニーさんはじめVBPOの方々の仕事への熱意は、いつも感動を与えてくれます。プラグマとのお仕事が決まった時も感動的でしたね。中井が訪問し、一緒にお仕事ができることを泣いて喜んでくださったのを今でも覚えています。プラグマとお仕事してみての感想を聞かせていただけますか?

ニー: 起業当時から教育に力を入れていたので座学はありましたが、実務経験が少なく、実際にやってみて運用面で学ぶことが本当にたくさんありました。問題や課題が見つかった時は、恵子さんがスカイプを利用し丁寧に原因を洗い出し、今後の進め方について協議し、解決してくれました。夏子さんには何度かベトナムにも来ていただき、講習会やテストを実施していただきました。実務で起きがちな事象なども交えながら、解説もしていただき不安が和らぎました。感謝の気持ちでいっぱいです。

三城:私が驚いたのは、外国の方向けに講習会やテストの準備をする必要がなかったことです。価値観が似ているというのはもちろんですが、日本語の能力の高さに今まで努力されてきたことを考え、こちらも教育・研修の大切さについて考えさせられました。ニーさんには、4千人規模のお客様の給与計算をVBPOと行うことになった際、2ヶ月間日本に滞在していただき、プラグマスタッフのような形で働いていただきましたね。ニーさんから見て、プラグマスタッフの印象はいかがでしたか?

ニーみなさん、カッコイイと思いました。ベトナムで日本について勉強した際は、日本の女性は結婚すると家庭に入り、専業主婦として家庭を守ると聞きました。しかし、プラグマのみなさんは、家庭も守りながら、仕事もプロフェッショナルで決して妥協することなく取り組まれていました。今まで日本女性に抱いていた印象が一新され、クールだと思いました。

三城:プラグマの女性達もいろんな選択と集中をしながら、プラグマで輝いてくれているので、 ニーさんの言葉を聞いたら元気がでると思います。少し輪を広げて、日本のここが理解できないとか疑問に思った出来事はありましたか?

ベトナムを背負う女性になりたい

ニー:分からないこともありましたが、どれも話を聞くと理解できることばかりでした。ただ日本らしいと思ったのは、準備を大切にする文化です。相手に話をするときでも、人に会うときでも、すごく準備をされています。逆に準備をしていないとすごく怒られます。それが分かってからは質問をするときなども工夫するようになりました。

三城:「考えずに、聞くな」は日本人なら一度は上司に言われたことがあるかもしれませんね(笑)。日本の話に触れたところで、ベトナムのお話も。ベトナムに行くと、街の雰囲気もあるのでしょうが、映画「三丁目の夕日」のような夢や希望を抱き、国を良くしようと前へ進む若者やおしとやかで控えめなのに芯が通っている女性と良い意味で古き良き日本を感じることができます。そこもベトナムの方々とお仕事をさせていただく魅力なのかもしれません。どこか懐かしく、親しみを感じずにはいられません。

ニー:大和撫子という言葉が大好きです。確かにベトナムの労働力の平均年齢が約28歳なので、若い力が牽引してくれていますし、パワーも感じます。1年を振り返ると生活のあらゆることが変化していることに気づきます。自動車の普及、電気の開通、洗濯機の導入など数年前では考えられなかったほど生活がものすごいスピードで変化しています。

三城:今日よりも明日がよくなるワクワク感を楽しんでいるのが行くと伝わってきます。日本の人たちにも行って肌で感じて欲しいなと思いました。そんな活気溢れるベトナムでしたいことなど今後のニーさんの夢について最後に聞かせてください。

ニーベトナムは今日本の30年前と同じような環境にあります。日本の後を追いかけるのではなく、自分たちらしく変化したい。それにつながる挑戦を続けていきたいです。世界を救うようなつもりで、ベトナムを背負う女性になりたいです。VBPOに入社したこと、プラグマさんと出会えたこと、大好きな日本で仕事ができたこと、今のベトナムで生きられること、本当に私は今ツイテルと思います。この運を大事にし、未来を信じて、ノンストップで走り続けます。

三城:プラグマもニーさんやVBPOのみなさんと一緒に仕事させていただき、たくさんの刺激をいただいています。ぜひこれからも共に成長させてください。本日は楽しく貴重なお時間をありがとうございました。